ウォッカとはなにか?
ウォッカとは、おもに穀物を原料として糖化・発酵し、連続式蒸留機で蒸留したあと、白樺(シラカバ)の炭でろ過したスピリッツをいいます。日本でも缶チューハイの原料として多く使われています。
adobe creative suite 6 master collection
ウォッカの起源は定かではありませんが、12世紀ごろロシア人は、はちみつの酒を飲んでいたといわれています。15世紀に蒸留技術が伝わると、はちみつの酒を蒸留したものが造られ始めました。この蒸留酒はロシア語で生命の水という意味の「ジーズナヤ・ヴァダー」と呼ばれ、このヴァダー(Voda)の部分が愛称形の「ウォッカ(Vodka)」という名称に変わったといわれています。
その後、大麦、小麦、とうもろこし、ジャガイモなどの穀物が欧米からもたらされ、原料にさまざまな穀物が使用されるようになりました。
1810年、サンクトぺテルブルグの薬剤師アンドレイ・アルバーノフが炭の吸着などの活性作用を発見し、新しいろ過の方法が考案されました。ピュートル・スミノフがウォッカの製造にこのシラカバの炭を使用し、炭素ろ過という工程が入りました。
19世紀に入ると、連続式蒸留機がもたらされ、さらに無色・無味・無臭のクリアな原酒の製造が可能になりました。
ウォッカが初めて世界に紹介されたのは、1917年のロシア革命で亡命したウラジーミル・スミノフがパリで小規模な製造を始めたことといわれています。その後もロシアからの亡命者により、ヨーロッパやアメリカに製法が伝わっていきました。そして無味・無臭でクセのない酒質から、カクテルに欠かせないスピリッツの定番へと成長していったのです。